新・オシロスコープ 測定技術のすべて(品切重版未定)
ディジタル/マイコン回路から高速・広帯域回路まで
高橋 徹 編著
A5判 336頁 定価2,345円(税込)
ISBN4-7898-3298-8
電子回路にアナログ回路,ディジタル回路,マイコン回路などがあるように,測定技術にも回路に応じたノウハウがあります.本書はそんな回路測定技術をオシロスコープの専門家に紹介してもらいました.最新のディジタル・オシロスコープやロジック・アナライザ,サンプリング・オシロスコープの使い方も紹介.
第1章 オシロスコープによる波形観測 入門
1.1 オシロスコープのあらまし
* オシロスコープとは
* 波形から何を読みとるか
* ブラウン管(CRT)のしくみ
* 波形表示のしくみ
* 垂直軸(Y軸…電圧軸)と水平軸(X軸…時間軸)回路
* Z軸…ビームの強度を制御する回路
1.2 垂直軸(電圧軸)回路の機能と特性
* 偏向感度とは
* 周波数帯域とは
* オシロスコープの立ち上がり時間
* 周波数帯域による観測波形の違い
* 入力回路…AC結合とDC結合
* 遅延線路(ディレイ・ライン)の働き
* 多現象を観測する二つのモード
* ALT(オルタネート)表示による2現象観測
* CHOP(チョップ)による2現象表示
1.3 水平軸(時間軸)回路の機能と特性
* トリガ回路のしくみ
* 掃引回路のしくみ
* X-Y機能とは
* ディジタル・リードアウト機能
第2章 新しいオシロスコープ技術
2.1 ディジタル・ストレージ・オシロスコープ
* ディジタル・ストレージ・オシロスコープとは…単発現象にも強い
* DSOのしくみ
2.2 サンプリング・オシロスコープ
* サンプリング・オシロスコープとは…超高速周波回路に適している
* サンプリング・オシロスコープのしくみ
2.3 ロジック・アナライザ
* ロジック・アナライザとは…マイコン回路や複雑なディジタル回路用
* ロジック・アナライザのしくみ
* 多くの信号間のタイミングやパルスの有無を測定するとき
* バスで送受されるデータの動きを測定するとき…外部クロックを使用
APPENDIX
* リモート制御機能とは
* リモート制御のためのインターフェース
* リモート制御で実現できる機能
* リモート制御の手順
* PC9801/BASICによる実際のプログラム例
* 遠隔テレビ信号モニタ・システム
第3章 オシロスコープによる波形の基本的な観測
3.1 電圧測定の基本技術
* 直流電圧の測定
* 電圧波形の測定
3.2 時間測定の基本技術
* 時間幅の測定
* パレス幅の測定
* パルスの立ち上がり/立ち下がり時間の測定
3.3 周波数/位相の測定
* 周波数の測定
* 位相の測定
* X-Y測定
3.4 テレビ映像信号の観測
* テレビジョン画面の構成
* テレビ映像信号(複合映像信号)のしくみ
* ふつうのオシロスコープで同期をかけるには
* テレビ同期機能による観測
* テレビ同期回路の構成
* ハイビジョンの複合映像信号を観測するには
第4章 測定プローブとアクセサリの活用技術
4.1 基本測定のためのプローブ
* 測定範囲をひろげるために
* 10:1の標準プローブを使うときでも
* 標準プローブを使う効果
* 標準プローブを使うときの注意事項
4.2 アースが浮いているときの測定法
* フローティング測定の基本的な考え方
* オシロスコープをフローティングで使用する
* 2現象オシロスコープを用いる方法
* 前段に差動増幅器を使用する方法
* 差動入力タイプのオシロスコープを使用する
* 光ファイバを使用する方法
* 雷サージ…インパルス測定に応用する
4.3 高電圧を測定するためのプローブ
* 高圧プローブの基本的な使い方
* 高圧プローブを使ったときの特性
* 電子ライタの高電圧を測定してみると
4.4 自動車のエンジン・モニタ用プローブ
* 自動車のエンジン波形を観測するとき
* 点火回路の測定の実際
* インジェクタ用プローブは
第5章 オシロスコープによるディジタル回路の観測
5.1 ディジタル回路測定の基本技術
* ディジタル回路測定の特徴
* 信号のチェック・ポイント(1)…電圧レベルのチェック
* 信号のチェック・ポイント(2)…波形の立ち上がり/立ち下がり
* 観測にはプローブを正しく使う
* 測定点を正しく選ぼう
* ECL信号には観測用プローブ回路を用意する
5.2 正しい同期のかけ方
* ふつうはDCカップル/Auto掃引で
* 2現象オシロでは入力側論理をトリガ・ソースに
* ゲート回路の動作を追いかけるコツ
* 2現象でも同一時刻の表示ではない
* 分周回路ではもっとも遅い信号をトリガ・ソースに
* グリッチはトリガ・レベルで探す
* 重なったパルスはトリガ・ホールドオフで調整する
* 任意状態でトリガするトリガ・プローブを利用すること
* 繰り返しの遅い信号は観測用フードを利用する
第6章 ディジタル・ストレージ・オシロスコープによる波形観測
6.1 単発現象の測定に有効
* アナログ・スイッチとリレーの動作を比較すると
* トリガ以前の現象も観測できる…プリトリガ
* MPU…マイクロプロセッサのリセット回路を測定すると
6.2 DSOのもっている機能と特性
* 垂直軸の分解能=A-Dコンバータの分解能
* A-D変換時に生じる量子化誤差
* 超低周波信号の測定にはロール・モード
* 発生頻度の低い信号の測定のとき…MPU周辺回路の例
6.3 バースト状の信号を測定するとき
* データ長とサンプリング・レートの影響
* DSOのサンプリング・レートとは
* DSOにおけるデータ長とは
* 正しいサンプリング・レートの求め方
* バースト状の信号の観測手順
* サンプリング周期とデータ長の関係
6.4 細いパルスの測定限界
* なぜ細いパルスが問題か
* エンベロープ機能を使うと
* 違った信号に見える…エリアジングとは
6.5 DSOのアドバンストな応用
* まれに発生するエラーの検出
* ビデオ信号の特定のライン・セレクト
* モデムを利用したDSOの遠隔操作
* 電池駆動の超小型DSO(液晶DSO)を使うと
第7章 ロジック・アナライザによる基本測定技術
7.1 ロジック・アナライザ 二つのモード
* 非同期(Asynchronous)測定…内部クロックのとき
* 同期(Synchronous)測定…外部クロックのとき
7.2 ロジック・アナライザによるディジタル回路の観測
* 多数の信号を観測するためのプローブの使い方
* どんな種類のロジック信号か…スレッショルド電圧の設定
* どの部分を観測するか…ワード・リコグナイザを使う
* トリガ・フィルタを使うとき
* グリッチを検出する…ラッチ・モードとグリッチ・モード
* バス信号には外部クロックによる同期測定
* 2進数で表示する…ステート表示
第8章 マイコン・システムの動作観測
8.1 マイコン・システムのあらまし
* マイコン機器の構成
* MPU回路の動作
* マイコン・システム調整のポイント
* オシロスコープとロジック・アナライザの使い分け
8.2 マイコン周辺回路の測定
* クロック信号を確認するには
* リード・アウト機能を使うと
* リセット回路の調整ポイント
8.3 マイコンの動作確認と測定法
* MPUの操作…エミュレータを併用するのが一般的
* エミュレータとテスト・プログラム
* RAMの動作をチェックするには
* アドレス・デコーダ回路のチェック方法
* エミュレータとロジック・アナライザを使うとき
* ROMの動作をチェックするには
* バス信号測定のポイント
8.4 ロジック・アナライザ+パーソナリティ・プローブの活用
* パーソナリティ・プローブとは
* パーソナリティ・プローブを使用するときの注意点
* パーソナリティ・プローブの働き
8.5 ロジック・アナライザ トリガ設定のテクニック
* プログラムの動きでトリガする
* もう少し複雑な条件でのトリガ
* プリフェッチをするマイコンでは
* キー入力処理を観測すると
* バグはハードか? ソフトか?
* ある条件のデータだけを捕らえる…クオリファイ機能を使うと
第9章 オシロスコープによるOPアンプの基本特性の測定
9.1 OPアンプの伝達特性を測る
* 増幅回路とOPアンプ
* OPアンプの伝達特性とは
* OPアンプのパルス応答からわかること
* 実際のパルス応答測定のチェック・ポイント
* 汎用OPアンプのパルス応答特性を見ると
* 電流帰還型の高速OPアンプのパルス応答特性を見ると
* 高速OPアンプを測定するときのノウハウ
* セトリング・タイムを測定するための工夫
* 実際のOPアンプのセトリング・タイム
* 周波数特性を測るには
* 741とAD846での周波数特性の比較
* スイーパによるOPアンプの周波数特性測定
* ノッチ・フィルタの特性を測ると
9.2 OPアンプ回路の増幅度と直線性を測る
* OPアンプの開ループ利得を測定する
* 利得の測定精度は
* 利得測定系に求められる特性
* 標準電圧発生器と電圧計を使うとき
* 分圧器を用いた利得測定のしくみ
* 分圧器を使うときの注意事項
* 分圧器にボルテージ・フォロワを追加すると
* 反転増幅器の利得を測る
* 分圧器を自作するときのポイント
* 増幅回路の直線性とは
* 分圧器を使った直線性の測定
* 三角波の直線性を測ってみる
* 三角波の直線性精度の確認
9.3 OPアンプ回路の入出力インピーダンスを測る
* OPアンプの入出力インピーダンス
* 入出力インピーダンスの測定方法
* 実際のOPアンプの入出力インピーダンスを測ってみると
* バイポーラOPアンプの入力オフセット電圧とバイアス電流を測る
* FET入力型OPアンプの入力電流を測る
* ポップコーン・ノイズを測る
第10章 安定化電源/スイッチング電源の測定技術
10.1 電源回路の入力特性の測定技術
* 入力電圧特性と入力電流特性の測定
* 入力電力と力率の測定
* 入力突入電流の測定
10.2 電源回路の出力特性の測定技術
* 出力電圧(静特性)の測定
* 動的な負荷変動の測定
* 過電流保護特性の測定
* リプル・ノイズの測定
10.3 電源回路のノイズ特性の測定技術
* 発生雑音のスペクトル
* 発射雑音の測定技術
* 入力帰還雑音の測定技術
* 外来雑音耐量の測定
10.4 スイッチング電源内部回路の測定技術
* トランジスタの高電圧スイッチング波形を測定するには
* トランジスタのスイッチング飽和電圧の測定法
* トランジスタのスイッチング電流波形を測定するには
* カレント・プローブを使わず大電流波形を直接観測する方法
* 整流ダイオードの短絡電流の測定
* 電解コンデンサのリプル電流を測定するには
* 2次側平滑回路のリプル電流の測定
第11章 高速・広帯域回路の測定技術
11.1 高速・広帯域信号測定のノウハウ
* サンプリング・オシロスコープの登場
* オシロスコープの立ち上がり時間
* 同軸ケーブルを用いるとき・・・インピーダンス・マッチングが重要
* 同軸ケーブルによる信号の減衰
* エクステンダを利用してケーブルによる波形なまりを抑える
* プローブを用いるとき
* プローブの選択基準
* グラウンドも測定ポイントのすぐ近くに
* アクティブ・プローブを使うときの注意
* ケーブルやプローブの種類と長さによる測定結果の違い
* 伝搬遅延時間の差を補正するには
11.2 サンプリング・オシロスコープのトリガリング・テクニック
* 波形を管面にとどめる操作…トリガリング
* サンプリング・オシロスコープの最小遅延時間
* 管面外の信号を見たいとき…掃引遅延
* 観測したい信号とは別にトリガ信号が得られるとき
* パルス・ジェネレータを信号源として使用するとき
* トリガ用の信号が出力されていないとき
* エクステンダとフィードスルー型サンプリング・ヘッドを利用するとき
* 信号の立ち上がり部を見るための遅延装置
* 1G〜2GHzを超える信号をトリガするとき
11.3 サンプリング・オシロスコープの応用測定テクニック
* 直流に重畳した微小信号の測定…DCブロックの利用
* バイアスTによるアクティブ・デバイスのスイッチング特性の測定
* 高速・広帯域差動アンプの測定
* アイ・パターンによる伝送品質の評価
APEENDIX
* 同軸ケーブルとは
* 高周波用コネクタについて